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「やめときな玲奈ちゃん。話せないんだよ」
「あ、もしかして“リサイクル”なの?」
玲奈は初めて見た“リサイクル”者に驚きが隠せなかった。
「……危なく、ないの?」
不安気な表情を見て翔は笑顔で答える。
「大丈夫だよ。リサイクルされている人資は
感情や欲求といった部分を排除されているからね。
与えられた指示は忠実に守るし、
人を雇うよりも遥かに安全なんだよ。
まあ元々は再利用率を上げるためと、
被害者側の報復の為に生まれた人資源購入制度なんだけどね」
「人資源はみんなこんな風になるの?」
「いいや、脳の初期化は
購入者の意思で決めることが出来るんだよ。
報復目的での購入時にはあまりされないみたいだね。
あと、企業なんかは一度に大量に購入して
いろいろな分野でその都度再利用した方が
国からの印象もいい。
初期化を行うとその場で再利用が完了してしまうからね」
「ふーん。翔兄って物知りだね」
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