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放課後、部活へ向かう生徒達の波に逆らいながら、
玲奈は二階にある二年生の教室へと向かっていた。
一つ上とはいえ、高校はすでに縦社会である。
すれ違う上級生に何度も頭を下げながら、
二年三組の教室の前まできた。
すると中から玲奈を呼ぶ声がした。
「玲奈ちゃん」
そこには椅子に座る幸司郎と、
その一つ前の席の机に座る翔の姿があった。
「翔兄どうしたの?
三年生は今日午前中でお終りじゃなかった?」
「ちょっと幸司郎に用事があって
保健室で待ってたんだ」
そう言うと翔は幸司郎の方へ向き直り、
「よろしく」と言うと簡単な挨拶と共に教室を出て行った。
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