recycle2~前田玲奈~

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「幸司郎君、なに話してたの?」 「うん、なんか玲奈が最近元気ないみたいだから 何か悩んでるかもって。 話し聞いてやってってさ」 「そ、そんなことないよ?」 「いや、実は俺も前々から思ってたんだ。 たまに無理して笑顔を作ってるなって。 でも玲奈から言ってくれるまで待ってようと思ってたんだけど、 やっぱり心配だからさ、話してくれないかな。 俺じゃ頼りないかもしれないけど」 胸の奥が締め付けられる気がした。 一瞬うつむいてぎゅっと目を瞑ると、 出来る限りの明るい顔で玲奈は話しはじめた。 「最近ね、変な電話が沢山掛かってくるの。 最初はただのイタズラだろうって気にしてなかったんだけど、 ここ何日かはその量も増えてきて。 でもその内飽きて無くなるかなって思って今まで内緒にしてた。 それにもし幸司郎君に話して迷惑かけたら嫌だから。 ごめんね、ずっと黙ってて」 幸司郎はその話を玲奈の目を見つめながら、 顔色を変えず、静かに聞いていた。 話し終えた玲奈の頬を包み込むように右手を伸ばす。 「ありがとう。話してくれて。 大丈夫だよ、玲奈にならいくらでもかけられていいんだ、 迷惑だなんて思わないよ」 「ありがとう……ごめんね」 玲奈は笑顔のまま一粒の涙を溢した。
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