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「もしもし、幸司郎君どうしたの」
『携帯が繋がらなかったから、心配になって。
また変な電話がかかってきたりした?』
「……ううん。大丈夫」
玲奈はやはり幸司郎には心配をかけたくないと思い、
自分の気持ちを隠して明るい声で答えた。
『本当に?』
「本当に大丈夫だから。なんかごめんね」
精一杯の明るい声で嘘をつく。
『それならいいんだけど……
何かあったらすぐに言ってね』
「うん、ありがとう。
明日も早いからさ、もう眠るね」
『分かった。また明日ね。おやすみ』
「うん、おやすみなさい」
電話を終えると、子機を
母親のいるリビングに戻しにいく。
するとテレビを見ていた母親が、
「幸司郎君なんて?」と聞いてきたが、
恥ずかしさと後ろめたさから、
適当な返事をして、部屋へと戻った。
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