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『どうした?何か心当たりがあるのか?』
「いや……まさかね。ないない。絶対ないから気にしないで」
『そこまで言われたら、いやでも気になるよ。
いいから話してみて』
「うーん……心美かなって一瞬思っちゃったんだけど、
そんなことするような子じゃないし。なんたって翔兄の妹がそんなことしないよね」
『心美か……。確かにずっと片思いだった幸司郎を玲奈に取られて一時期は暗くなってたけど……まさかな。でも最近部屋にこもりっきりであんまり話せてないんだよな。
なんだか携帯も持たなくなってるみたいだし』
「そうなんだ。いや、やっぱり心美じゃないと思う。
心美だったら面と向かって言ってくるでしょ」
『確かに。あいつは誰に似たのか真っ直ぐで曲がったことが嫌いだからな』
「絶対翔兄に似たんだよ。やっぱり兄妹だね。
そうだ、明日休みだし、久しぶりにいつもの公園で
心美とゆっくり話してみようかな。
最近全然話せてなかったし、
心美もなんだか元気ないみたいだし」
『そうだね。あいつも玲奈と話せば少しは元気になるかもな。
玲奈もすっかり明るくなったし、今日はゆっくり休みな。
もしまた変な電話かかってきたらすぐに連絡しろよ』
「うん。ありがと。またね翔兄」
『おやすみ』
通話を終えると、玲奈は携帯電話を枕元へ置いた。
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