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『親愛なる玲奈様。明日の朝、いつもの場所で』
文章を見た玲奈の体に悪寒が走る。
間違いだとは思えなかった。
明らかにあの電話の人物と同じ人間だ。
玲奈の頭は真っ白になり、理解が追いつけないまま
履歴から翔へと電話をかけていた。
「翔兄、翔兄……」
『どうしたの玲奈ちゃん』
「メールが……変なメールが来て。
明日心美と会うこと知ってて、今決めた事なのに、なんで。
どうして……わからないの」
『落ち着いて玲奈ちゃん。本当にあの電話の奴なの?』
「間違いないよ。絶対そうだよ。
なんで……私が何をしたの……」
『そいつは何て言ってるの?』
「明日の朝、いつもの場所でって。
怖い……怖いよ翔兄……」
『玲奈ちゃん、明日は家にいた方がいい。
怖いことを言うようだけど、
玲奈ちゃんの携帯は覗かれているかもしれない。
明日行くのは危険だ』
「でも……もうこんなのうんざり。
どうして私だけこんな思いをしなきゃいけないの。
これからも怯え続けるなんて嫌だよ」
訴えかける玲奈に、翔は少しの間を置いて静かに答えた。
『わかった。俺が何とかするよ』
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