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「母さん、このくらいはもう常識だよ。
いまじゃ人資源の利用数と
人資源予定者の保有数が国の優劣を決める世の中なんだ。
この国が、強国連団に名を連ね続けるには
それなりの資源利用数と国民の意識の高さが不可欠なんだよ。
これって今じゃ小学校で習う、
人資源有効利用促進法制定後の世界の常識だから」
「そうなんだ。
お母さんが子どもの頃には
まだこんな放送はなかったもんね。
昔は悪いことをしたら資源になるよって
よく親に怒られたものよ。
それにしてもさすがあたしの息子。
よく勉強してるじゃない」
母親は修司の背中をぽんと叩くと、
誇らしげに家事に戻っていった。
「頼むよ母さん……」
小さく呟きながら、
修司はリモコンを手に取りチャンネルを変えた。
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