recycle2~前田玲奈~

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どれだけ待っただろうか。 緊張で時間の感覚が上手くとらえられない。 何日もの間、座っているような錯覚さえする。 人影の無かった公園には次第に声が生まれ、 いつも通りの姿へと成長していった。 ――そろそろ心美との約束の時間。 翔は玲奈から十メートルほど離れた前方の茂みから様子を伺っている。 玲奈からは僅かにその顔と上半身の一部が確認できる程度だ。 気付かれることは無いだろう。 もし仮に玲奈の背後から相手が現れたなら、翔が大きく手を上げ合図を出すことになっている。 玲奈は右手に握られた黒い塊に視線を落とした。 電源ボタンに親指をかけ、誤って押してしまわないよう、強張った右手の力を抜く。 ――大丈夫。死んだりしない。 右手から翔へと視線を戻すと、僅かにうかがえる翔の顔が強張っていくのが分かった。 意識を耳に集中すると、背後から微かな足音が聞こえてくる。 空いた左手で胸元をぎゅっと掴む。 目を見開き、翔の合図だけに全てを集中した
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