12人が本棚に入れています
本棚に追加
「心美がしばらく学校を休んでいたのはそのせい。
最近暗かったのもそれが原因だろうね。
だから教えてあげたでしょ、携帯をあまり持たなくなったって」
「そんな事心美は一言も言ってなかった」
「そりゃ玲奈とは一番の仲良しだから、
もしペースメーカーの事を知れば
君は今まで通りに接してはくれなかっただろう。
それが嫌だったからじゃないかな」
「でもどうして……どうしてこんなことを……」
「君が欲しかった」
翔は笑みを浮かべながら、右手を伸ばし玲奈の頬に手をかざす。
「どうしても君が欲しかったんだ。
小さい頃からずっと君だけを見てきた。
心美じゃない、俺の傍にいるべきは君だったんだ。
だから君を犯罪者にした。
被害者の身内になり、優先的に君を買い取る権利が欲しかった。
それだけだよ、心美はその為に存在していたんだ。
もう大丈夫。心配しなくていい。
これからはずっと一緒だよ」
数台の警察車両がけたたましい音を響かせながら公園を取り囲むが、
真っ白になった玲奈には何も聞こえてはいなかった。
最初のコメントを投稿しよう!