recycle3~松尾洋二~

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会社を出てしばらく歩くと、小さな喫茶店が見えてきた。 手帳を開き、待ち合わせ場所と時間を確認する。 「ここだな」 小さく呟くと松尾はドアを押し、店内へと入った。 「いらっしゃいませ。お一人様ですか」 身なりの整った初老の男性が深く頭を下げながら確認する。 「いえ、待ち合わせをしていまして……」 そう言いながら店内を見渡すと、窓際の席に座る学生服姿の男が目に入った。 店員に軽く会釈をしながら、松尾はその席へと歩みを進めた。 「君がオンリーホワイト君かな?」 松尾がその名を呼ぶと、慌てた様子を見せながら男は立ち上がった。 膝をテーブルにぶつけ、アイスコーヒーが僅かにこぼれる。 「その名前で呼ばないでくれよ。 それはあくまで掲示板内でのハンドルネームなんだから」 「でもこれ以外に君の名前を知らないしなあ」 「だったら白でいいから。はやく座りなよ」 白はそう言うと自らもゆっくりと椅子に腰をおろした。
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