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修司はすぐにGPS機能を使い
美幸の携帯電話の場所を検索する。
「母さん、美幸が危ないかもしれない。
俺行ってくるから」
そう言うと修司は台所にあった果物ナイフを懐に収め、
家を飛び出した。
修司は中学校への通学路を走りながら
『検索中』と表示された画面に何度も視線を落とす。
「急げ……急げ急げ」
すると画面は地図に切り替わり、
美幸の携帯電話の位置が赤く点滅し始める。
「西公園の近くか」
場所を確認した修司は一心不乱に印を目指し全速力で走った。
頭の中に最悪の状況が浮かんでは消える。
修司はそれを振り払うように
脚を前に前にと踏み出し続けた。
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