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意味わからなくなって焦り出すも、周りから変な目で見られている。
「…何で冬なのにこんな暑いんだ?冬なのに雪1つないし…。取り敢えずコート脱ぐか。…というかなんで猫耳や犬耳?コスプレ趣味?ってか、なにこの人達の服装。俺すごい浮いてるじゃん。普通のジーパンと長袖なのに。……ん?…もしかして、これって…」
独り言をぶつぶつと言っている少年にはいつしか奇妙なものを見る冷たい目線で見られていた。
「もしかして、もしかして………異世界召喚??????」
周りから人がいなくなった。
「おかしいおかしい。遂に狂ったか?勉強漬けの毎日だったし、ノイローゼか?何異世界召喚とか言ってんの?俺」
現実逃避から戻り、何回も目を擦ったり、頬をつねったりしてみる。だが、現実は変わらず、景色も戻らない。
「嘘だろ?そんな、まさか、本当に?…」
少年はそう呟くが、何も変わらず、現実を認めざるを得なくなった。
「嘘だ……嫌…だ。…母…さん…助けて…」
涙交じりに呟くも、何も変わらない。
「何で……嫌…だよ…母…さん…」
少年の両親は離婚し、女手一つで育ててくれていたお母さんだったが、その大切な人もこの場にはいない。
「ああ、ああぁ…嘘だぁ…」
「どうしたの?」
少年が振り返ると、心配そうに見つめる女性がいた。
歳は大体同じくらい、身長は155㎝くらい、青髪で腰まで伸ばしているかなりの美女だった。
「…だいじょぶ…です。」
少年はそう言って立ち上がり、何処かに歩こうとした。
「待って、全然大丈夫じゃない。あなた、凄い心にダメージを負ってる。…此処じゃなんだし、ちょっと来て。」
女性は少年の手を引っ張り、何処かへと連れてった。
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