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裕太は意を決して言った。
「……今から言うことは事実だけど、信じなくてもいい。僕は異世界から来たんだ。きっかけはわからない。なんで来たのかもわからない。わからないことだらけなんだ。」
ティナは納得したように頷いた。
「なるほどね。確かに異世界召喚の魔法はあるからね。だけど、それなら普通お城に召喚されるはずなのにな。」
「ねぇ、なんでそんな魔法あんの?こっちの人権は無視なの?こっちは奴隷じゃないんだよ…何のためにそんな事するか知らないけど、俺にも家族がいるんだよ。…再来週…受験だった…のに…母さんが…そのため…に…一生…懸、命…サポートしてくれたのに…俺も…母さんの期待…に応え…たくて…嫌いな…勉強を…頑張っていたのに……」
ティナはいきなり泣き出した裕太に驚いたが、落ち着きを取り戻し、説明を始めた。
「この世界の名前はミラン。そしてこの街はエジェンダ王国の首都、ジャイル。異世界召喚の魔法は、このミランが崩壊しそうな時、国が魔法を使って勇者を召喚するの。」
裕太はこの言葉で本気で怒った。
「なんだよそれ。……ふざけんなよ????なんで関係ない、全く知らない世界をそっちの都合だけで俺らが拉致されて助けなきゃいけないんだよ????意味わからねぇよ…なんで俺なんだよ…」
裕太はティナの胸ぐらを掴みながら言った。
ティナは悲しそうな顔をし、口を開いた。
「その事は私も同感。そして、この国は異世界召喚を禁忌としているの。だからおかしいのよ。貴方がこの国で、しかも城でもない所にいきなり召喚されるのが。最初はどこかの国で召喚されたと思ったけど、話を聞く限りそうでもなさそうだし。」
裕太は手を離し、椅子に座った。
「ごめん、乱暴して。気が狂ってたわ。…元の世界に戻る方法ってあるの?」
ティナは申し訳なさそうな顔をした。ないということだろう。
「…ごめんね。…その、貴方さえよければ、一緒に住まない?私も親がもういなくて、1人なの。だから、寂しくて…貴方もここからどうする事もできないだろうし。」
裕太は魅力的な提案に裏があるかと考えながら聞いていたが、ティナの真っ直ぐな目を見て決めた。
「…見ず知らずの俺と一緒に住むとか、頭おかしいだろ。まぁ…君がいいって言うなら、ありがたく住まわせてもらうよ。」
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