2.夕枯れの空

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赤と黄色と橙のパレットに 藍色の水が流れ込む。 空の下、二つの人影。 風でなびく君の黒髪を見て、手を強く、握る。 「どうしたの」 とても綺麗だった。 何でもない 空を見上げると、涙が、零れる。 「どうしたの」 身体を、強く抱きしめた。 何でもない 赤子をあやす様な手つきで、僕の背中を優しく、たたく。 風が吹く。 君の黒髪が連れていかれる気がして、怖くて、腕でおさえた。 「大丈夫」 だいじょうぶ。 藍色に染まった。 空の下、二つの人影。 「帰ろう」 手を引く、歩き出す、君。 光の中へ消えていく。 枯れた空と、君と、僕の、黄昏。
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