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所は神奈川ー…
パシーーン…
ブルペンに響く、快音。
「イイね時雄、もうコンスタント130km/h前半は出せるようになって来たな!」
ミットに手を痺れさせるのは、茜高校の4番打者である捕手の高宮 翔だ。
「時雄のお父さん、まだ特訓してくれないの?」
「9月まで予定詰まってるらしいからよ、8月いっぱいは待てってさ。」
「ふーん、」
芹沢はつまらなそうに頬杖を突く。
パシッ。
返球を受け取った少年、宮藤 時雄。茜高校のエースナンバーを背負うサウスポーだ。
「でもなぁ、140km/hオーバーの球ってなると中々出ねぇよな。何で柏東ん時は出たんだろ、」
「普段は120後半か130前半…良くて130後半だもんね。まぁそこは秋と冬の下半身強化で自然と上がって来るよ、アンタは今は地上げの時期。」
「へいへい。」
時雄は、素直には頷かない。
翔が口を開く。
「てかイイよなぁ~。9月からプロ野球選手のリアルな技術伝授して貰えんだろ?俺も頼むよ~。」
「ヤダね、俺だけ特別なの。」
(うわぁ、性根悪。)
芹沢と翔の苦笑いは止まらなかった。
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