第61球ー最悪ー

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全体練習も終わり、アカ高野球部一同は自主練に勤しむ。 「ふんっ…ふん…」 グラウンドの隅で、筋トレをするのは我らがアカ高ムードメーカーたる糸井 和也だ。 「何やってんの?和也。」 「おう護、俺は今“自分革命”を起こしているのだ。」 「…護、こいつイカれてやがる。ノック続けようぜ、」 「ぅ、うん、そうだね。」 そんな和也を白い目で観察するのは、小坂兄弟、悟と護だ。 容姿はほぼ同じだが、金髪と黒髪では随分と印象が変わってしまう。 「唯ちゃんに教えて貰ってよ、太腿の裏の“ハムストリング”と"腸腰筋”って筋肉鍛えてんだ!」 「へぇ、何それ?」 少し興味深かったか、護が突っ込んだ。 「足を上げるのに必要不可欠な腸腰筋、そしてアクセル筋とも言われ人体が加速するには絶対的主動作筋となるハムストリング!この2つを徹底的に鍛える事でなんと!」 「足が速くなるってヤツだろ~?知ってるそれ。」 「赤星テメェ!俺の台詞取るな!!」 和也が可哀想に見えて来た。 「俺も中学で臨時の陸上部にいた時はそこ鍛えさせられたよ、まぁ俺は元から発達してたから関係ないけどね~♪」 「む、ムカつく…」 悪戯っ子の印象が強い彼、赤星 佑都は部内随一の韋駄天小僧だ。余裕で校則違反の赤髪も重なって校内でも有名だ。
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