第十話グランドファーザー

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のです そんな彼女がなぜ芸能人になったのか追放された私にはわかりませんが とにかく遼子から私はパトリックが死んだ事を知らされました しかしどのように死んだのかは遼子は話してくれませんでした そして遼子は自分に協力して欲しいと言いました 遼子はグランドファーザーに恨みを持つ人間と手を組んで事を起こすつもりのようでした。 その目的はパトリックの復讐を果たす事だと聞いた時私はパトリックがグランドファーザーに殺害されたのだと感じました。 遼子のような工作員は性器に特殊な改造をされていてパトリックど男女の行為は出来なかったはずです プラトニックな関係だけだったのに、その恋人の為に危険な復讐を考えるなんて しかし私は最初真剣にとりあっていませんでした グランドファーザーはあまりにも強大過ぎます 普段は近づく事さえ出来ません しかしそのうち私の心に戦慄が走りました パトリックは遼子にあの秘密を話してしまったのではないかと もしあれが完成のための鍵なら 遼子はもしかしたらパトリックから一部の情報を聞いていて私から全てを手に入れようとしているのではないか 私はそう疑いました 私は有名女優の人生を棒に振っても恋人の復讐を望む一途な女性に同情するようになりました それに私はグランドファーザーを恐れていません 長い間の贖罪意識から、グランドファーザーに殺してもらいたいとさえ思っているのです しかしそれでも易々と秘密を話すわけには行きません あまりにも怖ろしい秘密だからです 私はこうも疑いました。 グランドファーザーが彼女を操って秘密を手に入れようとしているのではないかと グランドファーザーはその秘密を手に入れようと必死でした。 にもかかわらず私を殺さなかったのは私が秘密を守る姿勢を貫いたからです そして私を殺さない最大の理由は、いつかはその秘密を手に入れたいからなのです
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