第十話グランドファーザー

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どうやらグランドファーザーの追求がまた始まったようです 今度は私も秘密を守る自信がありません しかしこの最後の謎だけは世の中に出てはいけない秘密なのです 私は苦しんでおりました そんな時遼子が失踪しあなたが訪ねて来たのです 長年の司祭生活から人を見る目はあります あなたは光を持つ人です 私はあなたに掛けたい こんな手紙を出して身勝手ですが、この手紙をあなたに渡すため私はグランドファーザーが私を殺害せねばならないよう工作しました。 こうすればもし遼子がグランドファーザーと敵対していれば自分に危険が迫ったと考え何か策を打つはずです シスターメアにグランドファーザー達の注意が集まれば、私のメッセンジャーがあなたに近づけます。 最後にあなたにお願いが2つあります 一つはもし赤城遼子が本当に復讐をしようとしているなら止めて下さい 私はパトリックを裏切りました せめて恋人だけは守ってやりたいのです そしてもう一つは、この事件を捜査しているうちにあなたは秘密を知ってしまうかも知れません その時は人の叡智を持って行動して下さい 大した捜査情報ではありませんがプロファイルなどにお役立てくれれば幸いです ではあなたに神の御加護を』 本居は黙想して言った 「副教区長あんたって人は わかりました おかげで雲つかむような話の全体像がわかり始めた しかし最後まで秘密は語ってくれないんですね もし秘密を知る事になったら人の叡智をもって行動しろとは、どういう意味なんだ 待てよ、もしそんな特別な所にいたなら草刈は何故女優にスカウト出来たんだ 宣伝塔としてグランドファーザーが派遣したのか いや違う、赤城遼子は宗教宣伝に関わった事はないはず だとすると草刈は教団にいる赤城遼子をどうやってスカウトしたんだ。 草刈は間違いなく赤城遼子がシスターメアと言う工作員であった事を知っているはずだ そんな女をスカウトするのか? 出来るのか 草刈とグランドファーザーとは何か関係があるのか?」 どこかにある大邸宅 その大きな寝室のダブルベッドに二人の男女が並んで寝ている 一人はブラザーと言われる男である もう一人はマザーエリカである。 二人とも毛布の下は上半身肌である ブラザーが言った
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