第十話グランドファーザー

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わかってる」 「あまりメアの事を悪し様に言わないで それに、グランドファーザーの批判は止めた方がいいわ あの人は真底怖ろしい人よ」 ブラザーはエリカの頭をなでながら言った 「エリカ、お前は美しいし身体もいいし、頭もいいが俺が本当に気に入ってるのはお前のそんな哀しい所だ、子供を産めないお前は子供の幻をミアに見続けてるんだよな」 エリカはブラザーの足を抱きしめるようにして言った 「あなただってグランドファーザーへの態度はまるで反抗期の不良少年よ 本当はグランドファーザーに認めてもらいたいくせに」 「そうかもしれん しかしグランドファーザーは俺の事など見てはくれない だからいずれは」 本居は言った 「もしかしたら草刈は遼子と組んでるかもしれない 権力も金も地位も手に入れた男が、こんな危ない橋を女のために渡るんだ 二人に男女関係がなかったとしても草刈は遼子にぞっこんか だとすると今度の騒ぎで遼子が追い詰められないように いかん命をたつかも」 本居は急いで入谷に電話した。 「もしもし署長俺だ 」 「本ヤン、いつ帰る相談したい事が」 「それより、草刈暁に監視をつけてくれ けいらでも交通でも構わない」 「おい、急に言われても」 「行ける奴がいないなら5課の中丸に誰か回して貰えるように俺の名前で」 「えー中丸警視正にかよ、俺の立場考えてくれよ、俺は君みたいなエリート崩れじゃないんだから」 「草刈は遼子と組んでる公算がある 奴に自殺されたら大チョンボだぞ」 「草刈暁が自殺、何で?」 「魔性の女に振り回された哀れな男だ」 「意味わからねえがわかった俺が行く」 「抜けていいのか」 「方面(署長)会議はないし、留守は副署長がなんとかするだろう」 「君なら安心だ頼むぞ」 本居は電話を切った その時すぐ電話が掛かって来た 相手は真壁だった 「本居さん、ちょっとお耳に入れたい事が」 「なんだ」 「偶然なんですけど、私赤城遼子の実家の近くで聞き込み終えて食事してたんですよ そしたらたまたま知り合った人が赤城の父親と親しい人で面白い話を聞いたんです」 「面白いはなしって」 「実はその人昔映画雑誌の編集者で、赤城遼子の父親からやたらある事件の事を尋ねられたそうです」 「ある事件?」 「ほらエクソシストのモデルになったアメリカで
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