第十話グランドファーザー

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起きた」 「メリーランド悪魔憑依事件」 「そうです」 「そうか、これでつながった」 「つながったって」 「俺の方の情報で赤城はシスターメアと言う名前であるカルト教団の工作員だって事がわかった」 「ええ、工作員?」 「ところが何で良家の子女の赤城がそんな所に送り込まれたのか、疑問だった お前の情報でその流れがほとんどがわかったよ でかした巡査部長、刑事での初手柄だ」 「それならお前呼ばわりは止めて下さい」 「わかった、これからはあんたと呼ぼう」 「まあいいですけど どう言う事ですか」 「これはまだウラはないが、赤城遼子は子供の頃から頭が良く感受性が強すぎた 天才タイプにありがちな奇行があったんだと思う 赤城の両親はそれに真剣に悩んでいたと思うんだ」 「よく芸術家や科学者の子供時代にあるエピソードですね」 「そうだよ、しかし親は真剣に悩むよな この子ちゃんと社会に出られるかなんてね そういう悩みってのは端が見るより大きい物なんだ 結局苦しんでノイローゼになったり、挙げ句自殺したりする親もいる ところが彼女の家は大変キリスト教の信仰が深かった」 「つまり神頼みになったと」 「その神頼みの相手がワルで両親にこのように吹き込んだのかもしれない あなたの娘には悪魔がついてます 早く祓わないととんでもない事になりますと」 「しかしそんな話信じますかね」 「遼子の両親はかなり苦しんでいたはずだ そう言う時人間は嘘でもすがりたいんだよ」 「それで遼子さんはカルト教団に つまり親に見捨てられたわけですね 恨んでるだろうな」 「いずれにしても親をたぶらかした奴がいるはずだ」 「あっそれについてですが」 構内放送が入った 「すまん、乗り遅れちゃう 話の続きは東京でだ」 本居は電話を切ってトイレを飛び出した。
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