11話ヒトラー

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名高と今井は予定を変更してドイツにいた。 バスの中で今井は名高に聞いた 「プラハ行きを突然変更した理由を教えて下さいよ、もういいでしょう」 「呪いの拒否反応が強くて直接プラハを調べるのは危険過ぎると考えたんだよ」 「でも同じじゃないですか?」 「いや、ドイツでの調査ではこんな事はなかった」 「えっ前にも来てるんですか」 「ああ、随分前だけど」 「この事でですか」 「まあな」 「今からどこへ向かうんですか?」 「ドイツ連邦公文書図書館」 「資料ですか どんな」 「おいおい話す それより君ヒトラーのライラント進駐を知ってるよね」 「はい、少しですけど」 「ちょっと知ってる事を」 「ヒトラーはライン側周辺に危険を冒して少ない部隊を展開しました ヒトラーが後にあれは大きな賭けで自分はビクビクしていたと言ってるように、国境線に配置したナチス軍は極めて小規模でフランス陸軍がその気になれば蹴散らせるレベルだったそうです このライラント駐留はドイツと連合国の間に第一次世界大戦以後結ばれたロカルノ条約違反であり、本来ならすぐ条約違反であり、本来ならその事だけでフランス陸軍は国境を越えてドイツ領内に軍事介入が出来たはずなのにフランス陸軍はドイツが国境を越えない限り戦闘してはいけないと制止命令を受けていた。 それは何故か」 「ほとんどあってる、第二次世界大戦の謎の一つだ」 「イギリスとの協力関係が取れなかったとかの説があります」 「その理由は」 「条約を悪用してドイツを私物化して膨れ上がるフランスを警戒したとか」 「しかしライン川でドイツ国境を接している国はフランスだけではない 北部にはベルギーやオランダなど力のない国も接しているから、南部のフランス陸軍がドイツを抑えなければ、これらの国は勝手に不可侵条約とか結んでロカルノ条約が有名無実はする。 これはフランス軍が強大化する事以上にイギリスにとって都合が悪いはずだ にもかかわらず、イギリス軍はフランスへの協力を拒んだ こう言う説があるんだ ヒトラーは何かイギリスの弱みを握っていて、それによりイギリスを脅迫したんじゃないか」 「イギリスの王や首脳に関する政治スキャンダルでしょうか」 「古今東西対立する国の政治スキャンダルを利用して、あるいはでっち上げて相手を混乱させようと言うのは当たり前に行われた しかし
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