11話ヒトラー

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それにヒトラーはもっと大きな何かを手に入れるヒントを掴んだのかもしれない」 「まさか、それが聖痕の断罪と言うんじゃ」 「ヒトラーは、我々が先に行こうとしたプラハ城に、どんどん近づいて行く 何かを求めて もちろん偶然かもしれない だから我々はその裏づけをとって行くんだ 親衛隊長ヒムラーを使いオカルト的事象を追い続けたのがヒトラーだ 必ず秘法の中核まで近づいたはずだ 考えてみればヒトラーがオカルト的な物に夢中になったのは、これがきっかけかもしれない」 「どうやってヒトラーの足跡を今更辿るんですか」 「記録だ、特にナチスは自分達の足跡を全て暴露せざるを得ない状況に追い詰められていた」 「戦争裁判の記録ですね」 「そうだ戦勝国は自分達の記録をいくらでも隠蔽出来る しかし敗戦国は別だ 語りたくない全ての事まであからさまに語らざるを得ない」 「しかしナチスに関する情報は全てアメリカやソ連邦が握ってしまったんじゃ」 「確かにナチスの情報でナチスの戦争犯罪を立証する資料、ナチスが開発した兵器、科学技術等戦勝国により奪われ管理されただろう しかしナチスの将校達を取り調べた国は直接、それとは関係ない情報も手に入れたのだ」 「例えばなんですか」 「今ナチスの都市伝説と言われる真偽が不確かな情報だ 例えばナチスのUFO計画 ナチスの金塊を積んだ謎の列車 黒い太陽 これらの情報のほとんどは、この戦争犯罪においての証拠がための中で将校達の口から語られた情報だと言う事は間違いない しかしあまりに不確かな情報であるため管理する価値もなく、その段階でも近い将来も役に立つと思えず その上これは厄介だった」 「厄介?」 「第二次世界大戦終期には戦争が大規模になり、各国専門の軍人だけでは対応出来なくなってしまう その対策として三国同盟側も連合国側も他分野のスペシャリスト達を司令官レベルの待遇で召集する 大敗した日本帝国海軍ではテレビ開発で有名な高柳健次郎を少将にしている 勝ったアメリカの軍幹部にも、そのような非軍人の高級将校か発言力を持ちつつあった 当然正規の軍人高級将校グループと非軍人高級将校は何かにつけて対立する 特に終戦が近づくと戦後の問題や国の立て直しから非軍人の方が権力が強くなる傾向にあった この真偽不明の情報についても2つのグループは対立してしまう。
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