35人が本棚に入れています
本棚に追加
/336ページ
その時だった
ブレーキ音と共にタイヤの軋む音と女の悲鳴が聞こえて来た
青年はその方に目を向けた
すんでの所で若い娘が引かれる所だった
娘は白い杖を持っていた。
娘を引きそうになったスポーツカーは一瞬止まったが、運転手は降りず
そのまま新宿方面へ急発進して行った
青年は怒鳴った
「ちょっと待て」
青年はオートバイに跨がると車を追っかけて行った
後には黒いヘルメットが転がっていた。
その頃本居もお茶の水に向かっていた。
ケータイに着信があった
相手先は入谷だった
「なんだ、そっちへ向かってるのに」
「すまん、耳に入れたい事があって」
本居は車を止めた
「なんだ」
「あのなあ、赤城が失踪後、何日かしてマネージャーが赤城の部屋に入ると居間のテーブルがかたずけられて、真ん中に車椅子が置いてあったと言う事が言われてたんだが、捜査員の一人がおかしな事に気がついたんだ」
「おかしな事?」
「いくらマネージャーでもタレントの部屋のマスターキーを持ってるのはおかしい
その質問をマネージャーにぶつけたんだ
そしたら赤城の失踪の前日お泊まりしてたって言うんだ
最初のコメントを投稿しよう!