11話ヒトラー

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「じゃあ一体誰が」 「ここまで言えばわかってるはずだ」 「まさかグランドファーザーの粛清を」 「最近俺はグランドファーザーの命令で警察庁の幹部に圧力をかけた 表向きはメアを追い詰める為だが、しかし小娘一人倒すのにオーバーな話だ しかしこれが粛清のためなら話は別だ」 「しかし何故、こんな容赦ない粛清を 第一そんな事をするなら幹部の私達に」 「甘いなエリカ、俺達も粛清の対象かもしれない」 「そんなバカな 何で」 「いつから生きてるかわからないあの人も、そろそろ寿命が来る 計画を焦っている 自分のプランを継いでくれる人間も決めなければならない」 「しかし何で粛清なんか」 「教団内に疑心暗鬼を起こさせて内部抗争を起こさせるつもりだ 血で血を洗う内部抗争に勝ち残った者の中から後継者を決めるつもりだ メアへの対応が甘いのも、そのせいだろう」 「まさかメアも後継者の候補に」 「あいつにとってプランさえ継いでくれれば裏切り者でも構わない メアの有能さをあいつは高く評価している それにメアが脱退して芸能人になるのを奴が許したんだって メアを守るためかもしれない あのままメアが教団内にとどまれば他の人間の嫉妬で暗殺される可能性がある エリカ、あのままメアの能力が上昇したらお前だってわからんぞ お前の本質は善じゃないからな」 エリカは黙った 「メアにとってもそうだ だからあのままメアがあそこで成長すれば、お前とメアはつぶし合う事になる 俺はそれを見たくなかった だから草刈如きチンピラの強迫に屈したふりをしてメアの脱退芸能界入りを許可したんだ」 「博さん、あなた」 「しかしメアが、パトリックの最後を知っていて俺達に敵意を抱いてると知っていたら、あの時草刈ごと抹殺していた しかし今や草苅も芸能界の大御所、抹殺すれば大騒ぎになる」 「ブラザー、草苅に圧倒されるなんてあなたらしくない」 「草苅を恐れてるんじゃない、俺が恐れてるのはグランドファーザーだ 俺が下手を踏むとあいつは俺を潰しにかかる」 「そんな、あなたは片腕よ」 「情婦だろうがお前にはあいつの本質は理解出来ない あいつは超俗だ どこまでも俗である俺とあいつとは決して同じ道は進めない」 「考え過ぎよ、粛清の話もどこに証拠が」 「ブラザー牧の死に方を覚えてるか
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