パトリック問題

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「勘弁して下さいよ二人とも」 「勉強しとけよ北京原人」 本居の止まらない悪口に入谷が助け舟を出した 「いい加減にしろよ ゆとりミレニアム相手に それより真壁報告上げてくれ」 本居が言った 「ちょっと待ってくれ、知ってる情報を出し合って事件を整理しよう」 三人は互いの情報を共有した。 本居の話が終わったあと入谷と真壁は目が死んでいた。 本居は聞いた 「なんか事件と別の事を考えてるだろう」 入谷は力なく言った 「赤城遼子に過去に熱愛があったのか」 「人間だからいろいろあるだろう」 「しかし俺は絶対男なんていない女だと思ってた 嫁をもらうまで、もしかしたら何かチャンスが」 「えっ、無理だろう」 「いや、わからない たまたま護衛とかでチャンスが」 「それでお前警備畑にこだわったわけ?」 「俺が熱を上げてた時、もう彼女には男がいた そうとも知らず俺は給料の大半を写真やグッズやビデオに なんて滑稽な」 「もうその頃はいなかったんだよ」 「男に心を奪われてだげで許せない」 「真壁お前は何だ 年上が趣味か」 「そうじゃないですけど 実は俺遼子さんのファーストキスの相手なんです」 入谷が目をむいた 真壁は急いで言った 「撮影です撮影です」 「あ、コイツ確か学園ドラマの生徒役で無理やり教師の唇を奪うんだ 遼子のあの美しい唇を」 真壁がこうふんして言った 「take30ですよ、朝からシュートしててっぺん回っちゃいました」 「何言ってんだこいつ」 あきれてる入谷に本居が言った 「撮り直しを三十回やったって事だ あとはわからんがおそらく丸1日かかったって事じゃないか?」 「感動しました」 入谷が言った 「意味みえねえ」 「だって遼子さん、その時二十代真ん中ぐらいですよ、それがキスシーンを撮ろうとすると顔をこばらして、全然いい表情にならないんですよ」 入谷が言った 「そりゃ君がタイプじゃなかったんじゃないの」 本居が言った 「黙ってろ、女々しいぞ」 「こんな純情な人がいるなんて 絶対男なしだと ファーストキスの相手だと自負してたんです それが二番煎じだったなんて」 「わかったよ二人とも、仕事の話をしよう
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