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真壁の今日の聞き込みについて、まだ聞いてなかった
話してくれ」
入谷が言った
「俺が話す、今朝方署の箱に投書があったんだ
内容は赤城の親の赤城失踪直前のおかしな行動だ」
「市民の匿名捜査協力ではあるまい」
「おそらく、マスコミ関係だ
情報を流して我々を動かそうとしている
一応真壁に裏を取りに行かせた」
「で、真壁、どうだった」
「ガセじゃありません
長い間勤めていた家政婦が突然首を切られてます」
「誰に聞いた、まさか赤城の親か」
「いえ、近くの派出所の巡査です」
入谷が言った
「巡査、何かやらかしたのか」
「女だてらに酔って暴れて交番に連行されたそうです」
本居が聞いた
「首になった事で荒れたって事か」
「トラ箱に放り込まれて、知り合いが来て巡査が立ち会って説教して帰したそうですが、その時本人が大トラになった理由を話したそうです
はっきりと首になって少し自暴自棄になっていたと」
「首の理由は?」
「そこまで話さなかったそうです」
「かなりの年なのか」
「年って言えば、まあそうですが
家政婦が務まらない年とは思えません
現在四十六才ですから」
入谷が言った
「家事をやる仕事なら、普通の年齢だよな」
「だっておかしいですよ、赤城家にはもう1人家政婦がいるんですが、その人は五十五才ですから」
入谷は言った
「新参者は首を切られるんだな
どこも不景気だから、」
本居は言った
「真壁、署長の言う通りだと思うか」
「いえ」
「何故だ?」
「今回首を切られた方が赤城家に長いんです」
「つまり、今回首になった方は若くて、その上長く赤城家に仕えてると言う事だよな」
入谷は言った
「じゃあ、例えば赤城の父親と出来てしまったとか」
本居は入谷の言う事には耳を貸さず言った
「その家政婦だが、もしかしたら赤城の空白期間より前から赤城家に仕えてないか、片方は赤城の空白期間に入ってからじゃないのか」
「良くわかりますね
そうです」
「それからどういう事が想像出来る?」
「もしかしたら遼子さんの空白期間の事を何か知ってるため、遠ざけられたんじゃないでしょうか」
「そう言う読み方も出来るな」
「違うんですか?」
「まだ俺も確証はない
ヘタな先入観をお前に植え付けたくない
家政婦について、もう少し調べてくれ
ただし家政婦に直接あたるな」
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