第二話 孤高の刑事&ボーイミートガール

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「先輩、違反者を獲物と呼ぶのは止めてくれませんか」 そう言って反論したのは助手席に座っているもう一人の婦警だ 先輩と呼んでいるが運転手の婦警より明らかに年上に見える だが身につけているアクセサリーやブレスレットはギャル系で明らかに勘違いの小母さんタイプである 顔は丸めの小顔でアゴが尖っている もともと大きな目なのにメイクで強調するから、まるでゲームのぷよぷよの正体不明のキャラクターの印象を受ける 運転手婦警は不快そうに睨んだ 二人は相性が良くないらしい 助手席は無視してメイクを始めた 「ちょっと粉がとぶじゃない 年上だから立ててたけどもう我慢出来ない」 運転手の婦警は車を止めた 「ちょっとあんた、どう言うつもりよ」 「先輩、それより本線の方に一匹獲物が」 「ええ、」 運転席の婦警は本線の方を見た その時一台のオートバイが走って行くのを見た ライダーはノーヘルだった 「あの野郎」 運転席の婦警は拡声器のボタンを押した 「そこのノーヘル止まりなさい 違反ですよ」 オートバイは止まる様子を見せなかった 「くそ~」 婦警は車をスタートさせ赤燈のボタンを押した しかしサイレンランプは作動しなかった 「車両課の野郎、ミニパトだと思って整備に手抜きやがったな あんた口でサイレンしなさい」 「はあ?」 「いやだっての」 「わかったわよ ウーウーファンファンファンファンファン」 その日都内の某デパートの八階催事場でボヘミア物産展が開かれていた。 ボヘミアとはチェコの一部にあった地名である キリスト教の聖人の多くの出身地である 物産展には名産品以外に九世紀にボヘミア公国を作ったプシェミスル家の紋章やボヘミア王冠領の範囲、名産品の楽器などがガラスケースに陳列されていた しかしその中である陳列品が人々の目を引いた その陳列品を見た時女性のほとんどが悲鳴に近い声を上げた それはプシェミスル家の城のあった場所から発掘された一体のミイラだった 女性達が悲鳴を上げたのはそのミイラが異常だったからだ そのミイラは眼窩がはっきり穴が開いていて喉の一部がえぐり取られ座っていた。 女性達は呟いた 「主催者の気がしれないわ いくら何でも、こんな不気味な物を」 その女性達に割って入るように一人の男が来て呟いた 「聖痕の断罪か」
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