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本居は言った
「あたらずともとおからずだろ
問題はそれがなにを意味するかだ
例えば、これが遼子が仲間に対してのメッセージだとしたら、こう言う解釈が出来る
車イスは足つまり行動の事を示すとすれば
その解釈は動けないとか動くなとかだろう
サングラスは目、すなわち監視の事を示したとする
この意味は『監視しろ』だろう
拡声器は声だから命令だ
『指示を待て』
だから順番につなげて行くと『今は動けないから、そのまま監視を続けて、こちらからの命令を待て』
入谷が質問した
「しかし何でそんな回りくどい事をして連絡するんだ」
真壁が言った
「僭越ですが署長いいですか
遼子さんの敵が大きな権力を持っていれば、電話やメールで仲間に連絡を取るのは危険です
だから暗号を使い敵に仲間を悟られないようにして伝えたんじゃないでしょうか」
本居が言った
「今まで連絡をとってた方法が、一時的に使えなかったり、敵に知られたりして、追い詰められて失踪する直前に仲間に用心させるために残したんじゃないだろうか」
入谷は言った
「すると事件の謎解きにはあまり関係ないな」
「いや、ないとは言えないかも」
「どうゆう事だ」
「ダブルメッセージだ」
「なんだそりゃ」
「一つのメッセージで２つの対象に同時に意志を伝える方法だ」
「つまり仲間以外にも、メッセージを出したと言うわけか
別の意味を添えて
じゃあその相手は一体」
「わからん」
真壁は口を挟んだ
「あの、いいですか」
本居が聞いた
「なんだ」
「ちょっと気になるんですけど
何で自走式の車イスなんだろう
普通は押すタイプですよね」
入谷が面倒くさそうに言った
「そんなの関係ないだろう」
本居が言った
「いや、いい所に気がついた
メッセージを残すのに、より軽く楽な方法を選ぶはずだ
自走式は目方もあるし大きい、折り畳みの出来る小さな車イスではなく、何故扱いにくい自走式なんだ」
真壁が言った
「手で回す部分のタイヤが大きくて、持ち運びも大変困難なはずです
専用の車イス用の荷台でないと車にも載らない物が多いと聞きます
やはり自走式でないとまずい理由がなければ使わないと思います」
「自走式でなければ都合の悪い理由か
わからんな
確かに、赤城は意図して自走式の車イスを置いたようだ
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