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と言う事は目をつぶし足を砕き喉を切ったのはヴィラーフ三世側と言う事に
まっまさか聖痕の呪いとは呪者自らを生け贄とする必殺一命の儀式を行うんじゃあ」
名高は答えなかった
「ヴィラーフ三世は滅亡させられた恨みを込めて自らの命を犠牲にして聖痕の断罪の大呪を行ったんですね
それで恨みは晴らされたんですか?」
名高は大きく首を振った
今井はため息をついた
「あんな悲惨な死に方をしてミイラになっても失敗したとは
待てよ、聖痕の断罪の儀式と言うのは必ずミイラにならなければいけないんですか」
「ミイラにしたのはヴィラーフ三世の考えだろう、古来より人間の残留思念、つまり、死んで行く人間がこの世に残す精神エネルギーは骸が完全であるほど強いものなんだ、五体がバラバラになると人間の身体の中にあると言われるチャクラが互いに共鳴しなくなる
チャクラが共鳴して回らないと残留思念はアウラビンケン、つまり地水火風土、世界を作る五大元素からエネルギーを吸収出来なくなり活動を停止したり、場合によっては消滅してしまう」
「そうか、ミイラにすれば五体がそのまま保存されるからな
それほど恨みが深かったんだ
なのに失敗したなんて」
今井は深く同情した顔になった
名高は言った
「古来より、伝承も許されない聖痕の断罪の呪いはそれでも、何回も行われたらしい、しかし成功は僅かしかない
儀式に必要な何かが足りないのだ
それがわからない
成功した僅かな例は偶然にも全ての条件が揃ったんだろう」
「成功したと言うのは、たまたま相手が死んだんじゃないんですか」
「曾祖父聖浄が家に残した記録によると聖痕の断罪で殺された人間は、必ずある特徴ある死に方をするらしい」
「どんな死に方をするんですか」
「残念ながら記録にもその事は書いてない、曾祖父は大変慎重な学者肌で、ある程度の裏付けを取れなければ家にある記録にも記さない可能性がある
この記録自体もあっちこっちのページが破られ、様々な場所に保管されてる始末なんだ
祖父は失踪の前は少し精神異常だったと言う噂もある
もしかしら祖父はこの事を封印してしまいたかったのかもしれない
曾祖父はこう言ってたそうだ
この謎を全て解いた時、大いなる災いがこの世に降りかかるかもしれないと」
「世界を破滅させるほどの強力な呪いがかかると言う事なんでしょうか」
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