第二話 孤高の刑事&ボーイミートガール

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そう言って男は十字を切った。 その男は身長がかなり高い五十ぐらいの男である 明らかに日本人だが彫りが深く西洋人のような風貌である アゴに立派な髭をはやしている 服装は高級そうなスーツを着こなしている その男に声を掛けた男がいる 「聖痕の断罪って一体なんですか?」 「そんな事言いましたか ところで貴方は?」 「失礼しました 私はこうゆう者です」 男は名刺を差し出した 彫り深い顔の男は名刺を受け取り見た 「月刊アンビリバブル記者さん」 「先生は東都大学の名高教授ですね ヨーロッパ中世、特にキリスト教暗黒史の造詣では日本で右に出る者がないと言われる」 「それは買いかぶりです、私はしがない研究者に過ぎない では失礼します」 名高と呼ばれた男は若い記者を軽くあしらって会場を出ようとしたが記者は蠅のように名高の周りをうろついた 「あのミイラですけどルクセンブルク家より前の支配者だった一族の居城後近くの洞窟で発見されたそうです ボヘミア支配者は神聖ローマの支配下ですが王位を認められた特別な存在だったそうです その理由の一つがキリスト教との強い連帯とも言われています その事と聖痕の断罪と言う言葉は何か関係があるのでしょうか」 名高はこの記者をちゃんと手懐けないと厄介な事になると考えたのか柔軟になった 「わかりました すぐこの意味をお話すると誤解を招きますのでゆっくりお話します とりあえず三階の喫茶店に行きましょう」 その頃一台の乗用車を一台のバイクが追い詰めていた。 乗用車の運転手が怒鳴った 「なんだお前は、金魚の糞のようについて来やがって」 青年は言った 「そこの乗用車。左に寄って止まれ」 「お巡りみたいな事を言いやがって」 青年は身分証を掲げて言った 「その警官だ 君は安全運転義務違反、救護義務違反だ」 それを聞いて乗用車は左に寄って止まった。 青年のオートバイはそこに横付けした。 乗用車の運転手は車から出て来た そしてシャアシャアと言った 「救護義務違反て、当たっちゃいねえぜ」 「白い杖を持っていただろう、あの子は視覚障害者だ」 「じゃあ早く切符を切れよ」 「俺は切符を持ってない とにかく免許証を見せなさい」 青年はしぶしぶ男が出した免許証を点検していた。
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