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一種の狂信状態に陥る」
「なんですかそれ、連合国を混乱させようとしたんですか」
「終戦間際と言ったろ、敗色が濃厚になったナチにおいてヒトラーは側近の統制さえ困難になる
統制を厳しくして裏切り行為に容赦ない制裁を加えても側近達の不協和音はどんどんますばかりだった
ナチは構えは大きくてもヒトラーの個人企業だ
ヒトラーのカリスマ性を失えば一挙に崩壊する
追い詰められたヒトラーは薬に頼ったと言われる」
「ナチはあの有名な作戦でエセ超人的兵士を作った時も覚醒剤を使ったと言われています、ありそうな事ですね」
「しかしあの時と今回は意味合いが違う
少なくともヒトラーにとってはな
知っての通りヒトラーは自意識とプライドの塊のような男だ
そのヒトラーが自らのカリスマ性が衰え薬に頼らざる得なくなんて、例えナチの外へ秘密にされたとしても我慢出来るわけがない
そこでこの洗脳目的の覚醒剤は極秘に開発されたと言われる
しかし戦争の敗北がより現実化していくとヒトラーは早急にこの覚醒剤を開発し、大量生産しなければならない事情が起きてしまう
同盟国や親ナチの政権が櫛の歯が落ちるようにナチスドイツから離反し始めたからだ
ヒトラーは正式なナチスの作戦として採用する
大量に作られた試作品はすぐさま極秘に諸外国の裏切りそうな連中に使用されたと言う
もちろん同時にナチスへの忠誠を誓うマインドコントロールも行われた
しかし結果は芳しくなく敗色を一変させるほどの効果は得られなかった
同時にこの覚醒剤の最初の使用目的が部下達に知られてしまいヒトラーのカリスマ性は地に落ちて行った
そしてやがてドイツは敗北する
資料は連合国により管理される
しかし連合国は何故か、マイロンDRを隠蔽する」
「何故ですか、効果のない薬を恐れたんですか」
「ナチスが実用したのは試作品だったんだ
おそらくかなり精製が難しく、敗戦間際のナチスの経済力と政治力では連合国に隠れて大量の正規品を作る余裕などなかったのだろう」
「正規品は凄い力を持ってるんですね」
「あくまで想像だ
一番大事な研究データは崩壊寸前開発担当の技術将校が持ち逃げしたらしいからな」
「じゃあ、それがどこかで開発されてる可能性があるんですか」
「一国が完成出来なかった薬だぞ
もしそんな事を出来るのはかなりの力を持った奴だろう」
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