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起こしても不思議はないんしゃないでしょうか
自殺については何故かわかりませんが」
「マイロンの開発が完成していたと
確かに戦後七十年、今の科学力ならナチスのすいを集めた薬物でも完成出来るかも
自殺についても感性が鋭敏になりすぎて罪悪感に耐えられなくなったと言う事で説明がつく」
今井は満面の笑顔で言った
「やっと収穫がありました」
「収穫、そうだったね、君は記事になるものを探してヨーロッパに来たんだったね
確かに、現在起きてる怪異な事柄にマイロンは一つ可能性を示しているかもしれない
真実はどうあれ、記事としては十分人々を納得させる」
今井はおずおず言った
「先生、一緒に聖痕の謎に立ち向かうつもりでしたが」
「構わないよ、私も君を巻き込んだ事が心苦しかった
明日フランクフルトを立ちなさい」
今井は名高の手を両手を握って何度も頭を下げた
「記事を社に渡したらまた戻って来ます」
「気持ちはありがたいけど反響があれば編集だ、出版だで忙しいだろうし、反響がなければ渡航費用滞在費が出ないだろう」
「いえ、デスクに渡したらすぐ戻って来ます
経費が出ないなら定期を解約しても必ず戻って来ます」
「無理しなくていいよ、ここからは私の問題だ」
その時激しく床が揺れた
あっちこっちにちらりほらりいた閲覧者達が一斉に飛び出して来た
名高は言った
「驚いたな、こんなにいたのか」
「先生それよりドイツって地震ありましたっけ」
「ワンセグを」
名高はスマートフォンで現地テレビを確認した。
名高は言った
「どこも地震についてテロップがない」
「バカなドイツで地震なんて珍しいはず」
2人はぞっとした顔を見合わせた
再び床が揺れた
名高がポツリと言った
「苛立っているのか
それとも」
今井が言った
「私は戻って来る運命にあるようですね」
再び話は東京に飛ぶ
テレビ局に撮影技術を提供している協力企業の一つが新宿にある
小さいが近代的な総ガラス張りの三階建てのこじんまりしたビル、サンシャインメディアの本拠地である
一回はエントランスのみで、来客対応用の電話がある
その一階の電話の前で一人の青年が何か躊躇していた
その時二階から一人の男が降りて来た
小太りで少し派手目の格好がいかにも業界人と言う感じでテリー伊藤のような変
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