パトリック問題

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なおしゃれメガネをかけていた。 男は青年を見ると懐かしそうに声を上げた 「マッキー、マッキーじゃないの」 真壁はバツが悪そうにそっちの方向を見た いきなり真壁はガバッとした衝撃を受けた 男がハグしてきたのだ。 真壁は驚き慌てた 「ちょっと社長やめて」 男は一度真壁から離れたが、今度はきすをしてきた 「いい加減にして下さい」 男はやっと離れた 「なんで訪ねて来てくれなかったのよ 心配してたんだから お巡りさんになったんだって?」 「まあ、何とか叔父のこねで」 「まあ固い公務員のほうがあってるかもね 毎日楽しくかがやけりゃいいと言う浮き草みたいな連中からは浮いてたものねあんた 櫻井と同じようにエエとこの坊っちゃんが紛れ込んだって感じ」 「しかし叔父はエリートですが父はこの業界の人間なんで」 「まあ、単なる二世タレントじゃなくサラブレッドだよな」 「もういいじゃないですか 今日はお願いがあって」 「そうそう、何ですぐ上がって来なかったの?」 「会わせる顔がなくて 映画一本公開出来なくしちゃったんだから あの作品チーフキャメとして引退作だったでしょう カンヌの招待確実とか言われてたのに」 「まあとにかくたよってくれて嬉しいよ 今日は何?」 「実はあるフィルムの引き延ばし映像を見たいんです それも可能な限り拡大してもらいたい部分がありまして」 「お安い御用だ ラボに来てくれ」 二人は二階にある研究所兼仕事場のような部屋に入った 男は真壁はフィルムを預かると小部屋に入った しばらくするとモニターに食堂に飾ってあった絵の元の写真が映し出された。 真壁は興奮して言った 「凄い、すぐ出来るんですね」 「特殊レーザー光線をフィルムの粒子に当てて、そのエントロピーをカラーリングコンピューターで計算させ、プリズムより色彩を まあ、とにかく元の映像の限界まで再現可能だ」 「それじゃあ左下の女の子を拡大してくれますか」 「どこ?」 「バックネットから右の」 「近くに行って指さしてよ」 「わかりました、」 真壁はディスプレイを指差した 「了解」 突然画面に少女の身体がおお映しになった 真壁は背中を見た 「あれ、大きくなったのにはっきりわからない 絵では赤城と書いてあるよう見えたのに」 「赤城って赤城遼子か
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