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急いでデータを送ってくれないか」
「どうするんですか」
「警視庁の交通部のデータベースには都内で免許手続きをした都民のデータが免許写真付きで残っている、違反はともかく行政処分を食らっていれば、かなり前のデータも保存されてるはずだ
情報保護の点からおおっぴらには無理だが、この事件は準広域特定扱いだ
そのぐらいの融通はきかせられるかもしれない」
「本居さんは何故家政婦と遼子さんの絆が特別深いと思ったんですか」
「当時赤城は個性が強すぎるため、社会からも浮いていたし、親からも奇異な目 で見られていた
一方家政婦の方は調べてみると、地方出身で、それこそ口べらしのように都会に出て来たらしい
お互いさみしい気持ちを抱えている者同士が引かれあっても不思議じゃない」
「しかし何か手伝わせると考えるには少し無理がありませんか」
「おそらく家政婦の役目はセンサーだ」
「センサー?」
「赤城にとって一番不味い事は、自分が被害者ではなく狂言回しだと言う事を警察かきずいて重要参考人として自分の方へ捜査の矛先が本格的に向いて来る事なんだ
もちろん避けられないと赤城は見ているだろうからしかしその動きを少しでも先に知ろうとしてるのは間違いない
そのため赤城は家政婦をアドバルーンとしてあげなければならなくなった」
「アドバルーンですか」
「警察が、赤城に疑いの目を向け捜査方針を転換して赤城のかんどりを始めた場合、いきなり赤城の家族に接触はしない
つまり内堀は最後まで手をつけないのが捜査の鉄則だ
なぜかわかるか」
「マルタイにさとられないためですね」
「容疑者と捜査員は捜査側が容疑者の動きを封じ込めるような決め手をつかむまでは対等な立場だとかんがえていい、だからこちらの動きも相手は探っている
一方容疑者に近い人間は容疑者側と考えた方がいい、容疑者が犯罪者と言う決め手もなしに容疑者に近い人間に接触すれば彼らは警戒して協力してくれないだけでなく、警察に対し不信を抱く事になる
そして容疑者側になり、捜査側の動きを容疑者に報告する可能性もある
極端な場合犯人隠匿や証拠隠滅に手を貸してしまう場合もある
そうなると余計な犯罪者を増やす事にもなる
だからまず捜査は外堀から埋めるのが鉄則だ
原則だがな
外堀を埋める場合狙い目になるのは容疑者又は周辺にいてトラブルで距離を置いた人間が
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