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「やっべー
カードまで入ってるじゃないか
財布しか持ってないのか先生」
さっきの出来事に興味深々のボーイが今井に話しかけて来た
「お連れ様はどうかなされたのですか」
ドイツ語があまり堪能でない今井は会話を続ける自身がないのでオーバーなリアクションでわからないと表現して会話を打ち切らせた
今井はふと名高の落とした新聞に目を落とした
「これを見ておかしくなったように見えるが」
今井は新聞をペラペラめくってある場所に目を止めた
今井の頭にテレビでレポーターが言った言葉が引っかかった
「大変な事がおこりましたと言うのは事件か事故、もしかしたらこれか」
その見出しにはこう書いてあった
『バラバラ殺人被害者女性兄逮捕
動機不明ながら取り調べ官を混乱させる異常な死体遺棄の実体
何らかの儀式か」
今井はこれに違いないと確信した。
しかし何故名高が異常行動をとったかはわからなかった。
ただ一つ引っかかる言葉は妹と言う言葉である
名高の妹の死には警察が入りかけていたらしい
新聞にも小さく載ったのだが、事件性がないと言う事で母子の無理心中と言う事で事は収まった
しかしそれについての経緯はほとんどマスコミは触れなかった
ベテラン記者に聞いた所警察が納得していない形で幕引きをしたばあい、マスコミを黙らせるらしい
一番いい例が事件は存在したが被疑者が死亡した場合である
この場合警察は全くの骨折り損になるため適当に事件を収拾したがる
被疑者が死亡しても、すぐ警察が手を引けるわけではない
例え被疑者が死亡して起訴が出来なくても、公式に帳場を下ろすためには起訴出来るまで証拠固めをしなければならない
だからこう言った事件は帳場を立ち上げる前に事件を終わらせるのだ
そのためにマスコミに普段以上の圧力をかけてくる
マスコミも被疑者死亡では、すぐ圧力に負けてしまう
こうして事件がうやむやになる場合が多い
しかし圧力までかけたのは何故だろうか
被疑者死亡でも送検される場合はある
あくまで書類上の事で検察の体面的な物である
検察に花を持たせると言うより検察のお墨付きをもらう感覚である
もっとも被疑者死亡事件をわざと書類送検し、市民へのパフォーマンスめいたやり方をする場合もある
そう考えると収束させたのは何か理由があるはずと今井は考えた
マスコミが騒いではやっかいな事が事件の
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