パトリック問題

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しばらくするとノックの音がした モニターには一人の男が映っていた。 痩せた五十半ばの神経質そうなメガネを掛けた男だった ブラザーは聞いた 「一人か」 「ああ何とかまいた」 門が開いた ブラザーは言った 「廊下を真っ直ぐの正面のダイニングに私はいる」 その頃ブラザー山形を追跡して来たと思われる車から一人の男が降りてケータイで連絡を取ろうとしていた しかし突然ケータイが圏外になる 男は感度を上げようケータイをかざした その時電気ショックが走り男は倒れる その頭上にはいつの間にかドローンが旋回していた ブラザーはそれを部屋のモニターから見て言った 「ケータイは我々が想像する以上の電磁波を発生させるんだ 圏外だからって軽々しく天にかざすなんて具の骨頂だ 誤作動しだいで簡単にスタンガンに変わるんだ しばらく夢をみているうちに配下が面白い所へ連れて行ってくれるよ親衛隊さん」 やがてダイニングをドアをノックする音がした。 ブラザーはモニターを消して言った 「ブラザー山形入りたまえ」 ブラザー山形は入って来た 「ブラザー、厄介な事に巻き込んですまない」 「まあいい、そのソファーにすわりたまえ」 ブラザー山形はリビングのソファーに座った ブラザーは言った 「一匹ハエを連れて来たね 安心したまえ処理したよ」 「殺したのか」 「まさか、そんな価値はない ロシアマフィアの漁船にでもうっぱらって小ずかいにしようかと」 「君を巻き込んだ」 「そのようだな気にするな 私とグランドファーザーは適度に緊張感があるほうが普通なんだ 親衛隊の一人や二人行方不明になったって大きく対立にはならん」 「しかし俺の持って来た物は大きな災いとなる」 「そうかね、しかしだからと行って命がけで持って来たお土産の包みを開かずおひきとり願うような不人情な事が出来ない性分なんだよこの私は」 「ブラザー、私はマイロンの開発に失敗したんだ グランドファーザーは部下の失敗に寛容だがマイロンに関して冷酷だ 開発が私では不可能だとわかった時私は抹殺されると覚悟した。 しかしグランドファーザーは私を許した 私がマイロンの開発過程で偶然作製した薬をグランドファーザーは気に行ったからだ。」 「今社会を騒がしてる騒動はその薬だな」 「マイロンのように人の精神を支配出来ないが、
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