第3話ダーウィン

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三階にある洒落た洋風の喫茶店はウェストコーストをイメージした明るい雰囲気の店である その店の中央のテーブルで向かい合って座った名高教授と記者はオーダーを今終えた すると名高がいきなりスマートフォンを出し操作して画面を見せた そこには衝撃の映像があった 記者は少し震えて言った 「これは事件の現場写真ですか」 そこには草原にうつ伏せた僧服の男の死体が写っていた。 死体と明らかにわかるのは、その人物は首がなかったのだ 記者は言った 「この人はカナック(襟高の僧服)を着ている 神父さんですね それにしても酷い殺されかただ」 「僧服の下はもっと酷いですよ 口ではちょっと言いにくいほどね つい最近メリーランドで起きた司祭惨殺事件です 全米への報道はされませんでしたが」 「メリーランドと言うとエクソシストの元になったメリーランド悪魔憑依事件(某少年にポルターガイストを含め様々な霊象が発生し、自分は悪魔であると主張する、カトリックのエクソシストにより悪魔払いが行われる)で有名な場所ですね、デモニスト(悪魔崇拝者)による犯行ですか」 「いや、地元の警察は最初悪魔崇拝者の犯行と考え捜査に乗り出した しかし捜査が進展すると、この事件の背景にある物が実に複雑で危険な物である事を知ったのです そこで通り魔事件として事件を未解決で処理しました」 「先生は殺したのは誰だとお考えですか」 「誰とはわかりませんが、被害者と同じプロテスタント(新教)福音派の司祭達でしょう」 「神父が神父を殺す 内部の利権争いですか?」 「もし、そうであれば警察は最後まで、この事件を追うでしょう アメリカの警察は腰抜けでも無能でもないんです」 「ではこの事件は何故起きたんですか?」 「貴方はチャールズダーウィンと教会の因縁をご存知ですね」 「ええダーウィンの唱える進化論は猿が進化して人間になったと考えるため、神が人間を作ったと言うキリスト教の教えとは完全に矛盾する そのためダーウィンの進化論は禁断の理論とされています」 「その通り、最初はかなり酷い物でした 出版には圧力がかかり、逮捕された者もいる、それ以上も、
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