パトリック問題

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日本人はイスラムテロがないため、誰もテロを前提にした検問を受けた経験は多くはない しかしそれは経験した人間した人間から聞くとかなり苛烈な物らしい それがリベラルなドイツや自由を愛するフランスで堂々と行われているのだから イスラムとキリスト教の因縁は東洋人には想像つかないほど根深い 今井はまたも窮地に追い込まれた 車の方で警察官が一人一人の車を取り調べているのが遠くの方で見えた時今井はもう耐えられなくなった 今井はタクシー料金を運転手に押しつけるようにして車を出て脇の道路に逃げ込むようにして入り込み小走りに走った 体力が回復してないので遠くまで走れなかった また気絶してしまったら意味がない それでも今井は車の渋滞から少し離れた所で腰を下ろした 『航空でも検問をやってるんだろうか』 今井は全く情報がない状態心配しなければならなかった。 そんな今井に耳寄りな情報が飛び込んで来た 近くにいた男二人の会話が情報源だった その二人はどうやらジャーナリストに思えた 一人が一人に言った 「随分物々しい警備だが、イスラムテロでもネタを掴んだのか警察は」 「日本人が殺害されただろう」 「ああ知ってるが しかしそのくらいで やっぱり日本の首相の来訪スケジュールがあるから上は神経を尖らしてるのか」 「それが大きい理由だが、それだけじゃない」 「と言うと?」 「ネオナチの中に日本人をやたらに目の敵にしている奴らがいるのを知ってるだろう」 「ああ、第二次世界大戦で日本はナチスドイツと三国同盟を結んでいながらソ連邦にアメリカとの仲介を望んでいた そんなだからドイツ側の情報をソ連邦に流した可能性だって否定出来ない ナチスドイツがソ連邦に負けたのは日本人が重要な機密をソ連邦に流したからだと言う考え方だ」 「あながちないとは言えないがそれにしても古すぎる話だがそいつらがどうやら今度の事件を警告的に起こしたらしい その情報が上に入ってもし日本の首相に危害を加えられたらドイツのメンツが丸つぶれになるので上は警察に大号令を出したらしい マッ結局、両国の微妙な関係から話がでかくなっちゃったんだ でかいと言えばその日本人、日本人離れした大男だそうだ 顔も西洋人のような顔立ちなのでメキシカンかコロンビアマフィアの抗争と勘違いされかかったそうだ」 『体が大きくて日本人離れした風貌 まさか
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