パトリック問題

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美しく頭脳明晰だったが、あまりにも個性的で、ある意味奇行が目立った。 その少女の両親は元々クリスチャンだった事もあり、心労から余計信仰にのめって行った そこへ評判の悪い司祭がつけ込んだ。 司祭は、その奇行を悪魔が憑いてると両親をたぶらかした 最初は寄進と言う名目で金を揺すっていたがついには、ある教団に少女を売り渡した 両親には悪魔払いのためには本格的な修練が必要だとたぶらかして もっともこれは俺の想像だがな 違うか」 「それが赤城遼子だって言うのか」 「そうだ」 「知らないな 赤城遼子も、そんな事も、証拠があるのか」 「二十五年も前の事で今さらお前をどうしようと考えてはいない しかし赤城遼子の失踪、この事実の裏には赤城遼子の空白の数年間が絡んでいる その事実を知ってるのは他ならぬあんただ」 「だから俺に協力しろと言うのか あんたは警察はいくら出せるんだ」 「金さえ出せば歌うのか」 「いや、やはりダメだ、関わりたくない 帰ってくれ もう二十五年も前の話だ 何の責任も俺にはない」 「恐れてるのか」 「ああ怖いね 若気の至りだったんだ あんな恐ろしい連中に関わるなんて今考えてもぞっとする 話せば警察が守ってくれるのかい 警察に守れる力があるのかい 俺の関わった闇は大きい」 「そう来ると思った 貴様らろくでなしは償いなんて気持ちはけほどもない 償わしてやろうとしてやろうとしたのにな 草刈暁を知ってるな こちらで確保している 直に落ちる」 「草刈だって、何もしゃべらないはずだ あいつだって命は欲しい」 「草刈はもうすでに命を捨てている 愛する赤城遼子のために全てを隠して死ぬつもりだ しかし場合によっては愛する赤城のために全てを話すかもしれない そうなったらマスコミが君の事を嗅ぎつける マスコミ報道に時効なんてないぞ それだけですめばいいが、騒ぎになったら、君の恐れてる連中は君をほっておくと思うか」 「どう言う事だ」 「厄介な事になる前に面倒は躊躇なく切り捨てる それは十分わかってるはずだな」 「なんでほっといてくれないんだ 俺にだって生きる権利ぐらいはあるはず」 「赤城遼子は今アラフォーか 君がちょっかい出さなきゃ今頃はそれ相当の相手と結婚し、子供も出来て人並みの人生を歩んでたはずだ
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