パトリック問題

72/128
前へ
/336ページ
次へ
が来るとかなり足止めされる あいつを取り逃がした俺達には余裕がない」 「何を知られたんだ」 「元神父は懺悔録を書いてたらしい おそらく赤城遼子を教団に売り飛ばした事も書いてるはずだ 死ぬ間際にその所在を言ったのを覆面男は聞いてた しかしロッカーの番号は知られていない このキーの表示は見られていないからな」 「不幸中の幸いだな」 「しかし時間はない 奴らは平行した作戦で来るだろう まず俺達から鍵を奪おうと襲って来る 別働隊は新宿駅北口へ飛ぶだろう」 「しかしロッカーは半端な数じゃないはずだ」 「最悪の場合北口ロッカーを爆破するかもしれない」 「そんなバカな」 「奴らも最後の手段だろう まず俺達から鍵を奪おうとするだろう」 「とにかく新宿署に応援を頼もう」 「ダメだ並みの警官じゃ死人を作るだけだ 俺に考えがある、しかしこっちも最後の手段だ 一刻も早く俺達も新宿へ行こう」 「こんな事があろうかとボルボに赤燈積んで来た」 「いや、乗用車じゃまずい、ダンプかトラックを転がして欲しい」 「何でダンプなんだ」 「それは確保したらわかる とにかく行こう」 「真壁君はどうする」 「丁度いい、この殺人の通報と機動の相手をしてもらうため、ここに残ってもらおう」 真壁はびっくりした顔で抗議した 「冗談じゃないですよ 俺一人でどうやって説明しろって言うんですか 状況も良くわからないのに」 入谷が言った 「本やん、足手まといだと思ってるんだろうが、真壁君は結構やれるぞ 短時間と言えプロと渡り合って手傷ひとつ負っていない」 「わかった連れて行く しかし真壁、通報はお前さんが責任を持て」 「わかりました」 3人は部屋を出てマンションも出た 本居が言った 「真壁、俺達は相談がある、お前さんは少し離れて通報してくれ 付近にまだいるかもしれないから気をつけろよ」 「わかりました」 真壁は少し離れた 本居は言った 「小声で話そう」 「わかった、奴ら一体何者だ」 「おそらく赤城がいた教団の連中が雇った奴らだ」 「一体なんのために、こんな手のこんだ事をやったんだ」 「赤城と教団の繋がりを白日に晒されるのを恐れている だから元神父は遅かれ早かれ始末されるはずだった ついでに俺達を呼び寄せて始末しようとしたのかもしれない」
/336ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加