パトリック問題

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だろう」 本居が口を挟んだ 「これからは派手な襲撃は出来ない分、奴ら必死でやって来るぞ」 「警部補殿、まず署長にお礼を(相変わらず無礼な奴だな)」 「本やん、トラックを調達する理由がわかった ついでに調達して来た」 ダンプが入って来た 本居が言った 「手回しがいいな」 「かつての手下の一人がたまたま走ってた」 「たまたまね」 ダンプから男が降りてキーを入谷に丁重に渡した 「どうか可愛がってやって下さい総長」 「今はしがない警察署長だ」 「いや俺にとっては生涯」 男は去って行った 本居はそれを見ていた。 「関東に傘下二千人だったな とにかく行こう 俺は大型の免許ないから」 「センチになる暇もないな」 入谷はダンプの運転席に入った 続いて本居が乗り、その後真壁が入ろうとすると本居がドアを閉めた 「何するんですか 警部補、3人乗れますよね」 「真壁このまま家へ帰れ」 「僕も行きます」 「真壁、俺はガキの頃から武道を叩きこまれてる 署長は天性のケンカ屋だ その俺達だって無事な保証はないんだ お前さんはなかなかやるが、その程度じゃ無理だ」 入谷が口を挟んだ 「しかしいいのか真壁君を一人にして」 「署長、新宿に向かう俺達を奴ら必死に阻止しようとするはずです 真壁なんかに関わってられないでしょう それに俺達警察官は人に守ってもらう仕事じゃない 人を守る仕事ですよ」 真壁は怒って言った 「足手まといと言う事ですか」 入谷が苦笑いしながら言った 「真壁君、俺も本居やんも若い奴が死ぬのを見たくないんだ」 本居が言った 「俺と署長が帰って来なかったらヤマはお前が引き継げ 頼んだぞルーキー」 真壁を残してダンプは出て行った 後に残った 「カッコ良すぎるじゃないか 二人とも主役ってガラじゃないのにさ」 二人のダンプは国道を走った 本居が言った 「さて、高速に乗るか一般道を行くかだな」 入谷が言った 「一般道では派手な襲撃はしにくいが新宿まで時間がかかる」 「高速は危険だが早く新宿につく」 「だが二車線以上の道路幅だから向こうにとっても都合がいい 本やん、ダンプを選んだのは狙撃に強いからだろう」 「ダンプは通れる道に制限があるが、高速を使うなら、背後から狙撃できないダンプやトラックの大型に限る その上大型は」
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