35人が本棚に入れています
本棚に追加
「運転席が乗用車より高い位置にある
だから敵が乗用車の場合、狙撃するには車から身を乗り出さなければならない
高速でハコ乗りは、どうしたって二の足を踏む、その分狙撃が少なくなる」
「それに横に並んだ車からいきなりズドンとやられる事は考えにくい、ある程度不審な行動は、こっちもきがつきやすい」
「確かに、乗用車に比べると、ダンプは要塞のようだな」
「しかし一方で、足がのろい事と小回りがきかない事、死角が大きいと言う欠点がある」
「対狙撃には強いが白兵には不利と言うわけだ」
「気をつけなければならないのは死角に入り込み易いオートバイや平べったいスポーツカータイプの車だ」
「蚊とんぼにご用心と言うわけだ
振り払いながら新宿を目指すぜ」
「ところで高速に乗る前にパチンコ屋に行ってくれないか、念のため玉を補給したい」
「適当にしてくれよ
窃盗で捕まって足止めは御免だ」
「専用の玉をとって来る暇がないんだ
サイズはちょうど一緒だから、このさい」
「まあいいわ、上手くやれよ」
二人のダンプは高速に乗った
入谷が言った
「ずいぶん静かだな
もういくつもランプを越したはずなのに、不審な車の流入や併走する車もないなんて」
「確かにおかしいな」
「俺達のダンプがわからないんじゃないか」
「あの時、ダンプを調達してるのを奴らは確認しているはずだ
そのまま尾行されたと考えるべきだ」
「俺達を妨害する兵隊が足りないんじゃないか」
「それは希望的観測だ
まてよカーナビをつけてくれ」
「ああ」
本居はカーナビを地図モードにして何かを調べて言った
「この高速が新宿までに通過する陸橋がかなりある、近くに来たら教えるから、そこは激しく蛇行して運転してくれ」
「蛇行なら任せてくれ、しかしなぜ」」
「陸橋から走って来る狙撃する可能性が大きい
大型車が軒を並べる大型専用車線で、前の車にぴったりつけてしまえば前からの狙撃は困難になる
しかし」
「追い詰められた奴らは一気に片をつけようとして重火器、例えば対戦車ライフルのような物を使って来るかもしれない」
「そこまではないだろうが、いずれにしても市民を巻き添えにしてしまう確率が高くなる」
「警察が市民を人間の盾にするわけは行かないからな」
「そう言う事だ」
「それはそうと前方の防音ようへきの所に何か見えねえか」
最初のコメントを投稿しよう!