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だから本居が反対車線側の柵の向こう側から現れた時は、あまりの事に敵は混乱して引き金を引けなかった。
そのチャンスに本居は素早く玉を投げた
そしてダンプは敵から離れた
本居は言った
「もうコクピットに復帰してもいいぞ」
入谷は上体を起こしながらサイドミラーを見た
「バイクが反転してこっちへ向かって来そうだぞ」
敵のバイクは高速上に降りて追跡を始めた
しかしその時バイクをハンドルを取られるようにバランスを失った
そしてそのままようへきに激突した。
入谷は言った
「何をしたんだ本やん」
「すれ違った時、排気口にありったけの玉を放り込んでやった、バイクの走る振動と排気の熱で熱球化した玉が排気口の中で暴れまわってバイクに圧力をかける、その上排気は不規則になる、急にスピードを上げれば、どうなるかガキだってわかるだろう」
「肝が冷えたぜ」
「とりあえず、一息つけるだろうから次のサービスエリアでそっちへ戻る」
ダンプはサービスエリアに駐車した。
本居は運転席に戻って来た
入谷が言った
「おかえり」
「ただいま」
「良く無事で帰って来たもんだ」
入谷は本居の身体を撫でた
「気持ち悪いな」
「本やん、君は俺を含めて俺が出会った中で最高のマッドネスだ」
「お褒めはありがたいが祝杯はまだ早いぜ」
「もちろんだ、しかし新宿まであと一息だ」
「だからこそ向こうも必死だ」
「何をして来るつもりだろう」
「今度の襲撃の失敗で俺達を容易にはつぶせない事がわかったはずだ、向こうも焦ってるからロッカーの方を襲うかもしれない」
「爆破すると言うのか、」
「もちろん向こうも最後の手段だ
爆破なんてすればイスラムテロと勘違いされ、警察どころかアメリカ軍やシーアイエーまで首を突っ込んで来るからな」
「そうだろうな、そんなリスクを冒してまで、手に入れたい情報なのか」
「だせよ、走りながら話そう」
「わかった」
ダンプは発進した。
本居は言った
「今、マスコミは沈静しているが水面下では、赤城の事件を掘り起こそうと必死に動いてる、そこへ赤城のこのネタが入ってみろ、清純派女優と正体不明の宗教教団、センセーショナルなスキャンダルはマスコミ大衆が最も好きなネタだ
このネタが世間に流れるや否や各テレビ局のスクープ合戦が始まる
対象となるのは優等生女優の空白の数年間
そして」
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