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「そのハドラーと赤城が関係してるのか」
「俺にネタをくれた司祭が、赤城の所属した教団の支配者がグランドファーザーだと教えてくれた」
「そんなとてつもない相手に赤城は何をしようとしてるんだ」
「それだけは俺にも予測がつかない
しかしこれだけは確かだろう
赤城はグランドファーザーに復讐するために二十年間女優と言う仮面をかぶり続けて来たんだろう」
「パトリックのためにか」
「赤城遼子の生涯一度の恋、絶対無二の恋、そのために赤城は復讐するんだろう」
「しかしそのパトリックってどんな男なんだろう」
「さあな
それにしても静かすぎる」
「襲撃を諦めたのかな」
「そろそろこっちも奥の手を出さなきゃならないかも」
「奥の手って」
「本当は使いたくないんだが、使うタイミングを間違えると失敗するんで、ギリギリまで抑えてたんだが」
「そのチャンスが来たわけか」
「チャンスと言えるかどうか
むしろピンチだ」
本居はケータイを取った
「あっすいません
南茶の本居です、夜分お疲れの所どうも、大郡さん」
入谷が言った
「大郡ってまさか刑事局長」
「しっ、黙ってろ」
『何かあったのか本居君』
「自分と南茶の署長と二人で赤城遼子関連の調べをやってたんですが、今回ちょっと面白いネタが入りまして、某所に出向きましてその帰りです」
「面白いネタ
重大な案件なのか?」
「失踪した女優赤城遼子には、世間に晒されてない、もう一つ顔があります
それを知る鍵となるのが赤城遼子の少女期の空白の数年間です、世間に言われているこの間の赤城遼子の経歴は所属事務所インフィニットにより捏造されたものであります」
「芸能人にありがちな経歴詐称の話だけではないんだろうな」
「もちろんそうです
話を続けます
これはこの赤城遼子失踪事件解決の大きな転機となる案件です
話を元に戻します
赤城遼子の空白の数年間についてですが赤城遼子は、この空白の数年間はある宗教団体に所属していたと言うネタがありまして、今回はその裏取りをすべく情報提供者に面談したんです」
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