パトリック問題

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そんな中て遼子さんは自傷行為をはじめました 肉体が成長して女性的になるのを忌み嫌い膨れて来た乳房や臀部をひっかいたり、遂には性器にまで攻撃を加えるようになったのです 御両親は娘の肉体を守るため縛りつけるようになりました。 そんなこんなで御両親は気の休まる事がなく精神が病んで行ったのです。 このままでは何をするかわからない とにかく両親と遼子さんを引き離さないなければならない、しかし赤城家は大名の流れを汲む地主で世間体を気にして娘を外に出しません そんな時近くで放火事件が起きたんです 悪い事にその時遼子さんは外へ家出していたのです 姉のように気遣う家政婦が同情して彼女を解放してしまったのです 御両親は娘の火遊び好きを知っていたので遼子さんを疑いました。 もし遼子さんが真犯人でなくても近所でも彼女の火遊び知られる事なので疑われる可能性を恐れていました。 伊知郎さんは正常さを失いかけておりましたから、家名を守るためには何をするかわかりません 伊知郎さんは良からぬ組織にも知り合いがいると言う裏の顔があったので私は遼子さんの命さえ危ないと思いました 遼子さんを気遣う家政婦にも泣きつかれ私はとにかくどんな手段をとっても一時的に遼子さんと御両親を離さないとならないと考え実行に移しました 御両親に悪魔が取り憑いているかもしれないと嘘を行ったのです 一時は何とかそれで乗り切る事ができました。 しかし伊知郎さんは疑いはじめました。 私は恐ろしくなりました。 伊知郎さんに嘘がバレたら何をされるかわからない 私は伊知郎さんの懺悔で彼が幼少期から少年期にかけていかに冷酷な事をして来たかを聞いていたのです 少年法とお金がなければ転落していた人生でした。 だから伊知郎さんは遼子さんを恐れるのかもしれない 自分と同じ冷酷な血が遼子さんにも流れてると思うのでしょう 伊知郎さんは放火事件を遼子さんが起こしたと疑っていました。 私は遼子さんを教会にかくまいながら毎日ビクビク嘘がばれるのを恐れる毎日でした。 もちろん世間体もありますから私にとっても遼子さんにとっても、こんな状態は好ましくない しかし私はか弱い小山羊を狂った狼の下には送れませんでした。 私は必死で修道院や神学校を当たりました どこかで遼子さんを預かって貰おうと思ったのです そう言う所に預かって貰えば
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