パトリック問題

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わからないが地域課、またせいぜい警備レベルの事件に刑事課が首を突っ込んで来たのである 刑事課は殺人事件の捜査のため教団への捜査への足がかりになるトラブルを、飢えた狼のように探していた そこへこの情報である 刑事課の刑事達はトラブルの元になった女達に破廉恥行為を行った団員を逮捕してしまったのだ 教団を被害者の立場から捜査協力をさせるように仕組もうとしたのである これに慌てたのは消防団である、問題の団員が村の有力者の子弟であると言う事もあり、何とか釈放してもらおうと手を回すが、警察側は頑なに応じない 困った消防団は宗教関係で名の通った弁護士に相談する 弁護士は事情を聞いてコミューンを訪れる コミューン側は若く美しい司祭が話し合いに応じてくれ、穏便にしてもいいと、嘆願書を取り付けるが、その美しすぎる司祭を見た時、弁護士の脳裏にある事柄が浮かんで来る それはある村で女性達がいなくなった事件である 事件と言っても刑事事件ではない、消えたと言ってもちゃんと書き置きを残して出家を伝えているからだ しかし妻や娘に家出された家族はそれではおさまらず、あちこち宗教関係を探し歩いている噂を弁護士は耳にしていた そしてそれはあちこちできかれてくるようになり、どうやら被害者は一人や二人ではないらい、と言うのはこの失踪には共通点があったからだ 出家と書き残した女達に若く美しい西洋人の司祭風の男が接触していたと言う噂があるのだ。 弁護士はつてを通じ被害にあった家族を探し当てる事に成功する そしてその家族にこっそりコミューンの女達の中に失踪者がいるかどうか確認させる 弁護士の勘は当たっていた。 コミューンの女の中には若く美しい司祭にたぶらかされて失踪したと思われる女性がいたのだ。 連れ戻そうとする家族をなだめた弁護士は、ある作戦を練る、教団が嘆願書を出しても警察は簡単に釈放には応じないだろう、そこで弁護士は警察に取引を持ちかける、出家トラブルの被害者の情報を提供するからその情報の代わりに消防団員を釈放して欲しいと頼むのだった この司法取引めいた提案に警察は最初難色を示すが、出家トラブルを突破口に教団を土俵に上げる事も不可能ではないと言う考えが有力となり渋々消防団員の釈放に応じる そして弁護士からの情報を下に聞き込みを重ね、教団の司祭の一人が失踪者達に接触した美しい司祭である事を突き止める
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