パトリック問題

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思われても仕方がない 実際はどうかはともかく警視庁と道警は同じ地方警察本部である、警視総監だけは特別で全ての地方警察本部長を統括する特権を持っている しかしそれは警察官僚ナンバー2の特権であり、警視庁その物が他の地方本部に命令を下せるわけではない しかし警視庁は勘違いをしていて、形は協力要請でも、実際には上命下達で他の地方本部に命令する 道警の捜査員達は今回もごり押しだと勘違いし反発した。 道警は警視庁が自分達の事件の捜査を容易にするため道警に貧乏くじを引かせようとしてると考えた 道警が考えるとカルト教団とは、詐欺を働いたり恐喝をしたりする程度の事だろうと思っていたのである、殺人事件が絡んでも、あくまで行き違いによる偶発的殺人事件だと考えていた。 社会を混乱させるため爪を研いでるカルト教団など想像も出来なかったのである そんなわけで道警の現場捜査員達は警視庁の要請を無視した。 現場の捜査員だけではなかったキャリアを含む道警の上層部も今回の警視庁の介入には腹を立てた 下からの突き上げで本部長も動かざるを得なかった 道警本部長はまず警視総監を尋ねた、これが警視総監の勅命であれば道警本部長は法律により従わなければならない しかし意外にも警視総監は寝耳に水だった つまりオーム内偵は、捜査一課が刑事部長を抱き込んで勝手に始めた事だった なぜ警視総監を萱の外に置いて刑事部が単独行動を取ったのか これには理由があった 警察には創価学会系警察官僚が多数存在する 彼ら創価学会系警察官僚は学会を問わず宗教がらみの情報を学会に流してしまう 学会に流れた情報は学会の思惑しだいで宗教界全体に流れてしまう そうなるとオームが用心する事は言うにおよぱず潜入した捜査官にも危険が及ぶからだ。 『こういった情報の足止めは警察組織では良く行われる これは警察組織独特の現象で他の官庁ではあまりない なぜこういう事が起こるかと言うと警察官はある程度の地位になると権限を持つからだ。 例えば礼状の請求、送検、これらはある程度の階級の警察官なら単独で可能である、そう言った刑事訴訟法上の権限ではなく、例えば所轄の署長であればその管内の事については上司に相談しないでも可能だ、日本の官庁はほとんどは稟議をして上のはんこがなければ何も出来ない しかし警察はそこまで組織的束縛がない
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