第4話コンビ結成

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この度は捜査に加えていただきありがとうございます」 「別に俺が加えたんじゃねえよ」 戌母は本居を上から下まで見て言った 「へえ~あんたら二人の態度を見てると、こいつよほど偉いみたいね おい、あんた、こいつを引き取りに来たの?」 「だったらだめよ こいつは今に落ちるから」 「落としてどうするんだ 切符に拇印を押すだけだろう」 「そうは行かない こいつは本官を騙して罪を逃れようとしたんだから公務執行妨害で逮捕よ」 「おい姉ちゃん、公務執行妨害の条文読み直せ おい真壁君、面倒いから切符に拇印押してやれ さっさとこんな所出て捜査に行くぞ」 意外にも真壁は反論した。 「お言葉ではありますが警部補殿、自分に非はありません 自分は切符に拇印は押せません」 「そうか、それじゃあしょうがないな 捜査の事はあきらめて庶務課へ戻ってくれ巡査部長」 「そんな事で」 「そんな事だ どっちが大事だ 面子と仕事と」 「しかし、日常の品行に絡みますよね 交通違反て、警部補試験の内申に」 「(セコいなこいつ)なら捜査で実績上げて刑事部長賞でもとってみろ こんな減点チャラだ どっちにするんだ」 「う~ん」 戌母が口を挟んで来た 「あのさ、勝手に決めないでよ 逮捕するんだから」 「戯言言ってんじゃねえよ しまいには犯すぞこのあま」 その言葉で部屋の中が凍りついた 真壁が言った 「今のはセクハラ発言ですよ警部補殿」 副署長も苦い顔で言った 「まずいですよ本居さん あんまり変わらないですね 本庁の時と ヤクザや薬中相手じゃないんだから今は」 このムードにはさすがの本居もたじたじだった 「なんだお前らどっちの味方だ」 しかし冷たい目は変わらなかった 副署長は言った 「一応謝って下さい いや、副署長として言います 署員に謝りたまえ」 戌母が言った 「かっこいい副署長」 思わず本居が言った 「お前ら出来てるな」 真壁が言った 「本当に名誉毀損で訴えられますよ」 「わかったよ、婦警さん本当に失礼をいた しません」 副署長は言った 「本居さん」 「じゃあこうしよう 真壁が違反者なら、俺はセクハラでも何でも認めるよ もし、真壁の違反に正当な理由があったらどうすんだ どうけりをつける」
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