第6話本居型捜査手法

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本居はズカズカと入って行った 受付嬢は言った 「こんにちは」 本居は身分証を出した 「どうも、社長に会いたいんですけど、取り次いでいただけませんか」 受付嬢は驚いた様子もなく言った こういった会社の受付嬢は一筋縄ではない 「アポイントメントは頂戴してますか」 「いえ、突然お話をしたくなったものですから」 「では社長に伺ってみます 少しお待ち下さい」 「(ちぇっ、いるのかよ)お願いします おいお前」 「またお前呼ばわりを」 「その格好で通報者にあうのか」 「しまったライダースーツを着ていた 今脱ぎます」 「こら、ここで脱ぐな」 受付嬢は突然顔を赤らめて目を背けた 本居は言った 「下にスーツを着てるはずだから」 受付嬢は顔を背けた まま指差しをした。 本居は見て、急いで真壁を隠した 「真壁くん、下下」 「ああ、スーツの下は持参したんだ 蒸れるからトイレで着替えるつもりで」 「いいから穿け、よくトップアイドルになれたな 天然綾瀬はるかの男バージョンか」 真壁はつなぎになってるライダースーツを着た 本居が皮肉を言った 「ライダースーツで会うのか」 「知り合いですから」 「しかし警視庁のメンツと言うのが」 その間に受付嬢に電話がかかって来た 受付嬢は電話に出た 「社長、はい下にいらっしゃってます はい、若い刑事さんはマッキ、真壁さんのようです お会いになりますか」 本居が言った 「ビルの上から見てたようだな しょうがないついて来い」 二人は応接室に通された 応接室はシンプルな普通の飾りのない部屋だった すぐに女子社員が茶菓子を持って来た 垢抜けた感じの若い美人だった 彼女が帰った後本居が耳打ちした。 「ここはタレントが接客をやるのか」 「そんな事しませんよ、いくら何でも 純粋な事務員でしょう」 「ほう、」 本居はニヤリとした 「好みですか」 「えっ?、ああそうかも」 やがて草苅が挨拶して入って来て名刺交換になった 「この度はお忙しい所ご足労いただいて インフィニットの代表草苅暁です」 草苅は名刺を二枚出して本居に渡した 本居は名刺を受け取ると一枚は真壁に渡した 本居は言った 「うちの刑事課は名刺を持たない主義でして 失礼させていただきます」 「いえ、刑事の名刺は悪用されると知って
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