第6話本居型捜査手法

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ますからお気になさらず」 本居は真壁に言った 「君は庶務課だから問題はないだろう 名刺を差し上げてくれ」 「それが、オートバイのバックに入ってまして 社長すいません、こんな格好で」 「何を言ってるんだ 君と私の仲じゃないか マッキー久しぶりだね 会えてうれしいよ 何で会いに来てくれなかったんだ」 「社長ご無沙汰しております」 本居が口を挟んで来た 「同窓会はまたにしてくれ さっそくだが社長さん本題に入りましょう」 「あっはい」 「今回お尋ねしたのは、他ではありません 少し疑問になった部分を詰めたいと思いまして、ご協力願えますか」 「はい、なんなりと」 「騒ぎが起きてから、うちの捜査本部の刑事が赤城遼子さんの家族に聞き取りをいたしました と申しますのは赤城遼子さんの学歴に不自然な点があったものですから」 草苅はしどろもどろになった 「学歴は公表してません、詐称はありえません」 「確かに詐称はない まあ、タレントで学歴非公表は多い しかし小学校中退と言うのは」 真壁は思わず声を上げた 「遼子さんが小学校中退?」 「社長さん、赤城遼子さんの時代だと人権に対してまだ甘いので、借金で逃げ回る親のために未就学児はいます しかし赤城遼子さんの親は杉並の一等地に邸宅を持つエリート商社マンで家系も代々裕福だ 未就学児である理由がわからない 聞き込みに言った捜査官も当然疑問を感じてその事を赤城遼子さんの親にぶつけて見た すると親御さんは最初病気で休学していたと言っていたが更に追求すると、彼女は引きこもりで部屋から一歩も出なかったと言う返答をしたんです」 真壁は思った 『あの健康的な遼子さんが引きこもり 信じられない だけど本居刑事は一体何を考えてそんな事を持ち出して来たんだろう」 草苅はますますしどろもどろになった 「そうですか 確かにちょっと変わった所があった子でしたから」 本居の追求はますます熾烈になって行った。 「そうですか 引きこもりをお認めになるんですか だとしますと、あなたが雑誌に話した一文 あなたと赤城遼子さんの出会いが大変不自然ですね あなたと赤城遼子さんは札幌で出会ったと述べています あなたが所用で札幌に出かけた時喫茶店でお茶をしている鈴蘭のような雰囲気の美少女と出会った それが赤城遼子さんとあなたとの
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